羽子板について

今から約500年ほど前、宮中で新年を祝い女性同士で羽根つきをして遊んだことが始まりです。それが縁起物、飾り物として豪華な羽子板に変身したのは、江戸時代は元禄の頃です。

災いを「はね」のけるという縁起を担ぎ、女の子が生まれて初めて迎えるお正月の「初正月」に羽子板を飾る習慣が各地で起きました。

羽子板で突く羽の玉、あの黒くて硬い玉は「むくろじ」という大木の種ですが、これは漢字で「無患子」と書きます。すなわち「子供が患わない」という意味を含んでいるとも考えられるでしょう。

また、昔は羽の形をトンボに見立てて、トンボが蚊を食べる益虫であることから、お正月に羽根をつくと、夏になっても蚊に食われることがないと、長い間信じられてきました。

こうして羽子板には、遠い昔から子供の無事を祝う暖かい親心が込められているのです。